久元祐子さんのベートーヴェン講座

講座

『~作曲家が愛したピアノからアプローチする演奏法~ ベートーヴェン 』

2021年度のjetの定例会、
↓に書いてますが、
1.1 jetエルム楽器支部
ほとんど休みで、その代わりに、
エルム楽器で開催するいくつかのコンサートと講座に、
招待してくれることになりました。

その第3弾が、
12月3日(金)の、久元祐子さん の、
『~作曲家が愛したピアノからアプローチする演奏法~
      ベートーヴェン     』講座。

ただ、この日は、午後すぐから用事が入っているので、
どうしようか迷っていて、
間際になって受講することにしました。
なので、教材 は、購入してませんでした。
この著書を先に読んでいたら、
講座が、よりわかりやすかったと思います。

 

ベートーヴェン時代のピアノ

以前、『ピアノ 歴史 講座』を受講した時に、
クラヴィコードとチェンバロを合体させて、
さいしょのピアノが生まれた、という話しを聞いていたな~と。

で、今回の講座は、ベートーヴェンは、
鍵盤楽器の大きな変遷の時期に活躍した作曲家で、
初期の頃は、モーツァルト時代の、5オクターブのウィーン式、
コンコンとはね上げる軽やかな楽器を使っていた、
という話しから始まりました。
『悲愴』は、P.10 の ヴァルターのピアノ を使って、
5オクターブの音域の中で書かれてる。

という様に、随所に、教材のこのページという説明が入って、
教材は、いずれ、購入しないとダメだな、と思いました。

 

P.14 に、現代のピアノとの比較が載っている。

① クラヴィコード バッハが愛した楽器
 ハンマーがまだ無い。指で押すと金属のタンジェントが弦をつつく。
ちっちゃい音の中でも強弱が出せるが、あまりにも、音量が小さい。

② チェンバロ
 バロック時代、弦を爪ではじくチェンバロができた。
水鳥とかの羽の軸で、はじく、典雅な音色。
羽の軸を削るのがむずかしい。
目の見えないチェンバリスト 武久 源造さん、上手に削る。
https://www.npwo.or.jp/arc/interview/2006/takehisa_genzo.html 
 たくさんの貴族が楽しんでいた。
 はじくので、強弱が出せないので、強めの音は装飾音符や長めに弾いたりで、
音楽の流れを作っていった。

③ フォルテピアノ 『悲愴』
P.26 ハンマー(木針に皮が巻かれているだけ)で打つので、強弱が出せる。
現代のピアノは交差弦、そこで音が混じるので、
かたまりのようになって遠くまで飛ぶ。
当時は並行弦、ひとつひとつの音が明確に聞こえる、透明感。
アーティキュレーション(音の切れ)を得意としている。
コンとはね上げて、すぐ消えていく

3つの要素

1)  全体のデュナーミク(強弱)レベルの頂点
この差があればあるほど、ダイナミックな演奏、人を惹き付ける演奏。
6段階は出せるように

 ff(フォルティッシモ)思いが強くなる
 f(フォルテ)
 mf(メゾフォルテ)
 mp(メゾピアノ)
 p(ピアノ)
 pp(ピアニッシモ)  爆発するエネルギーを中に秘めてる
 

2) どんなハーモニーかな?と、和声で見る
機能和声、ハーモニーで見る。

3) 譜読み 
音符、こっちはどういう色、なんていう、
音符の向こう側を見抜く力でよむ。

 

エラールのピアノ

ベートーヴェン、イギリス式のピアノ、シフトペダルの付いたピアノが欲しくて、
ヴァルターに、ペダルを付けられないか頼むが、
結局、それは作れなかった。
ドンと打ち上げる エラール(フランスの製作家)のピアノ が、
ベートーヴェンのもとに送られてきた。
打ち上げるから、音量が上がる。

現代のピアノは、すべてイギリス式。

 

エリーゼのために

イギリス式の、ただでかい音が出るだけじゃ嫌だ。
繊細さが欲しいということで、ウィーン式を、また使い始めて、
『エリーゼのために』を作る。

 

講座を受講して

ベートーヴェンの作品を演奏する時は、
作曲した当時のピアノがどういうものだったか、知っていると、
演奏する上での解釈が違ってくると思いました。
ペダルが無い時代のピアノから、
ベートーヴェンが、ペダル記号を使いはじめるのが、
12番のソナタからって、こんなことも知らなくて、
長年、ピアノを弾いていたんだな~と、
参考になることがたくさんありました。

 

 

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